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2006年8月26日 (土)

山本一力『あかね空』と江戸百景

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歌川広重「名所江戸百景」
●品川すさき
品川洲崎は天王洲、兜島。手前左には品川の料亭
江戸湾の右に御台場、左に深川

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論文がなかなか書けないので、読書に逃げることに・・・。
7月に大学院の教授から
「山本一力さんの『あかね空』面白いよ、大平さんは研究年代が
一致してるからぜひ読んで」と薦められていたのを思い出して
一昨日,購入。

帰る道、読んでもないのに「なんだか好きだなーこの本」と思ったら
表紙が私の心を捉えていたのです!
その表紙が上の浮世絵、「品川すさき」
いわゆる遊郭があったところです。
その遠く左に見えるのが深川、この小説の舞台です。
「名所江戸百景」は実際に深川を描いたものもあるのに、
こちらを採用されたセンスにまずは拍手。

この空、なんてことない空に見えますが、
これは「当てなしぼかし」という熟練を要する技法で
浮かんでうる雲のようなぼかしを作る技です。
薄茜色と青のコントラストが美しいですね。

さて小説は数年前に直木賞を受賞した作品なので今更私が
ここで説明するまでもありません。

もともと涙もろい私ではありますが、はじめは何とか泣かないようにしていたのですが、
途中からは諦めて、ティッシュ箱を横に置いて読むことに・・・。
この小説の面白いところは、
主人公から少し距離を置いた人の行動が涙を誘う振る舞いであること。

これを読んでいると、
もしかしたら私も知らないところで多くの人に助けられているのでないか、
そしてそれが今は関係ないけれども、
廻りまわってどこかで縁が繋がっているのではないか、
そんな気持ちを呼び起こさせてくれる小説です。

感想を述べると、いくらでも書きたいことはあるけれどまたいつかどこかで。

もうひとつ!教授が言ったとおり
この小説は私にとって実りの多いものです。
私の研究対象と年代がピッタリ一致、
~宝暦・安永明和・天明・寛政~
私にとってこんなに魅力的な時代はありません。
文化・文政を迎える前の江戸が私にとっては面白い時代なのです。

それから山本さんの「あかね空」は男女ともに服装の描写が見事です。
商人には濃紺縦嶋に屋号の入った半纏、職人にも半纏や股引パッチなどなど・・・
お金持ちには、羽二重、紋付羽織、
女性には朽葉色、山鳩色、泥茶色などの流行りの色の着物など
細かく使い分けています。


もしも望みが叶うなら、
山本一力さんと江戸の町人文化について語り合いたい!
図々しいでしょうか・・・。ずうずうしいですね。

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