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2007年12月

2007年12月10日 (月)

夢は叶えるためにある

 毎年、この時期になると放送されるのが、テレビ朝日系「30人31脚全国大会」
私はこの番組が好きで毎年必ず見ていますが、昨夜の放送も何だか泣けました・・・

いっしょうけんめい頑張っている子供の姿をみると、勝手に目がウルウル。
指導の先生が、熱血漢で普段は怒鳴り倒しているのに、
本番では勝っても負けても男泣きしている姿を見てまたもらい泣き。

「勝つ」体験をすることは大事なことだけれど、
それ以上に、そこの場所にいることが子供たちにとっては大切だったのだと思います。

「勝つ」か「負ける」か・・・
とにかく今年からは、2チーム対戦方式になったので、
10秒後には誰の目にも結果は明らか。どちらか1方しか、勝てません。

私はマスコミで仕事をしているので、
こんなとき、どんなふうにカメラさんが動くかが気になります・・
当然、勝者にインタビューし、満面の笑顔などが映し出されると
テレビの前で勝ったチームに拍手を贈るのだけど、
気になるのは負けたチーム・・・

もちろん編集するので、カメラさんのせいではないのですが、
敗者側の放送時間が短くなるのは放送の常識。
でもこの”負けた気持ち”をどう表現し、どう立て直していくかに興味があるのです。

「先生はみんなを誇りに思う、みんなありがとう」

「ここまで来られたのは先生のおかげです。ありがとう」

私が応援していたチームは負けた後、バックヤードでしばし泣いた後、
涙顔だけどしっかりした声で、こんなやり取りを交わしていました。

ひとつのことにここまで、集中してやり遂げられること、勝っても負けても
これからの長い人生において一生の財産です。

 先週発表された経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査結果は
日本にとってかなり厳しい結果がでたけれど、
ここにいるような先生や生徒が日本に大勢いるなら、
悲観するばかりでもない、その集中力・創意工夫力を持ってすれば
いくらでもまた世界のトップに返り咲けるのではないかしら・・・と、
熱い情熱を持った先生とそれについていく子供たちの姿を見て
楽観的な私は思いました。

 念願の1回戦を勝った先生が2回戦を目前にした子供たちに言いました。

”夢は叶えるためにある”

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2007年12月 6日 (木)

トレードオフ理論 ー瞬間記憶と言語ー

  たまたま図書館で見た「アエラ」の表紙が、
京都大学霊長類研究科所長の松沢哲郎氏だった。
写真の瞳が印象的だったので、お名前を心に留めていたら、
数日後、母校から「松沢哲郎氏講演会」のお便りが来た。

 最近こういう幸せな偶然が多いので、さっそく出かけてみたら、
ちょうどその日はクリスマスツリーの点灯式だった。ラッキー!
(立教大学の2本の大樹のツリーは、本当に素敵なので、
 池袋へ行ったらぜひ行ってみてください)

 松沢氏の演題は「チンパンジーと知性の文化」

 興味深く、大変面白いお話でした。
もともとチンパンジーにはあまり興味がなかったけれども
人間とチンパンジーの遺伝子の差はたったの1.23%だとか。
特に瞬間記憶に関していうと完全に人間の完敗らしい。

数日前に松沢先生チームによる研究のマスコミ発表もあったようですが、
0.2秒、0.4秒など極めて短い時間、瞬間的に数字を見せて
その記憶を調査するという映像には、一同目を奪われてしまいました。

チンパンジー君の能力恐るべし!

いとも簡単に10桁近くの数字を記憶してしまいます。
ところが同じことを大学生が試したところ、
なかなか完答はできないし、答えたとしても時間がかかります。
先生曰く、
”人間は言語能力を手に入れた替わりに、瞬間記憶能力が退化したのではないか”
つまり何かを習得する替わりに何かを失う(退化する)ということ。
これを「トレードオフ理論」というのだそうですが、わかりやすい考え方ですね。
まさに”二兎を追うものは一兎をも得ず”
    ”あちらたてればこちらがたたず”

イヤイヤこれは意味が少し違うか・・・。
でも「トレードオフ理論」は興味深い理論です。
学問だけでなく、人生そのものでも同じことがいえるかも・・・
何かを手に入れるために何かを失うということは、何だか実感できますね。

でももっと分かりやすいところで言えば、松沢先生は
トランプの「神経衰弱」を挙げていました。

そうです!まさに私も子供の頃は大得意でしたが、今や全然ダメです。
大人よりも子供のほうがはるかに得意なはず・・・
あれは瞬間記憶に近いのだそうです。

さらに子育てに関する貴重な映像を見せて頂き、
今まで知らなかったチンバンジー君の子育ての基本姿勢もわかり
参加者一同、チンパンジー君に大喝采。
チンパンジーの子供に対する教育は「手本を見せる」
考えてみればそりゃそうだ!
言語を獲得していないのだから、身体を使って手本を示すしかない。
がしかし、そこから先が面白い。
手本を示す⇒子供が自発的にまねる⇒親は子供のわるさに寛容・・・

そう言えば大学の時に日本伝統文化の先生が興奮して
語っていたことを思い出した。
山科道安の『槐記』のなかの一説、
”形に習ヒ、目に習ヒ、心に習ヒ、意に習ヒ、手に習ヒ コレヲ五習ト云”
あんまり先生が嬉しそうに語るので、覚えてしまった文言のひとつ。
そうだ、我々人間だって江戸時代はこうやってまねることで
知識や芸術を習得していた。
お手本・・・
お手本を示さないで、いきなり教えても無理というもの・・・

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こうして短い時間のなかで様々なことを考えさせてくれた松沢先生のお話は、
年末のあわただしい時期、ふと立ち止まるチャンスをくれた貴重な時間でした。

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そのあとは、近くのベトナム料理で、「フォー」!
やっぱり食い気?!知性とトレードオフ・・・

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