ボストン美術館 浮世絵名品展
江戸東京博物館で開かれている「ボストン美術館 浮世絵名品展」へ行ってきました。
混んでいることを想定して平日に行ったのにすごい人・人・人!
しかも今回はどうも男性が多いという珍しい展覧会。
私は自分の研究素材に浮世絵を使っている関係上、
浮世絵に関係する展覧会にはよく行きますが、
今回はマスコミのPRが上手く行ったのか、フェルメール展に匹敵する混み様・・・。
NHKでは何度も「幻のスポルディング・コレクション」として放送していましたね。
実際に、この一連の番組は秀逸で、
なかでも写楽と歌川国政を比較しているコーナーはお見事でした。
特に「歌川国政」という絵師は今までほとんど知られておらず、
この存在を知るだけでも価値あります。
国政の絵は大胆な横顔構図の歌舞伎役者絵で、ギョロとした目が印象です。
良く見ると、青のラインが細く眼の周りに引いてありドキッとする色気がありますが、
これは白目を強調するためだそうで、
実物をみるとやっぱり迫力があります。
一方、テレビ東京は磯田湖龍斉の美人画に焦点をあて放送していましたが、
実際に会場に行くと今回の展示は美人画が多いことがわかります。
かわいらしい女性を描く、江戸のカラリストと呼ばれた鈴木春信や
江戸のヴィーナスと称された八頭身美人画を描く鳥居清長、
山東京伝こと北尾政寅のとっておきの一点など、
まさに今まで図録でしか見たことのない
本物の美人画をたくさん見ることができます。
しかし、なぜにこんなに鑑賞者に男性が多いのか・・・
もしや、PRのキーワードは「美人画」!!![]()
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か、どうかは定かではありませんが、このように江戸の文化が評価されるのは
喜ばしいことです。
それにしても2年前に公開されたビゲローコレクションと言い、
今回のスポルディング・コレクションと言い、
なぜに外国から貸していただいて、日本の文化を見なければならないのか・・・
と、いつも思いますねぇ。
これは江戸的なものが明治に排除された結果と、卑俗なものとしての評価が
先にたったことが原因と思われますが、一方でこんなに保存状態が良いのは
彼らアメリカの蒐集家が公開を禁止し厳重に保管したからという良かった点もあります。
それにしてもアメリカ人の審美眼はすごいですね。著名な辻 惟雄氏によると、
ボストン美術館のコレクションは、師宣から幕末浮世絵までの、
すべての良質の浮世絵作品を網羅しているそうで、
「浮世絵に対する深い愛着とそれに裏付けられた確かな眼がある、
日本の浮世絵コレクションにはない伸びやかさやスケールの大きさがある」
というようなことが以前の図録に書かれていました。
まさにそのとおり!
誰がどのような意図を持って蒐集するかで
コレクションの内容は決まるわけだから、ボストンに渡ってよかったとも言えます。
さて個人的な感想ですが、私は今回の版画浮世絵より、
前回のビゲローさん蒐集の肉筆浮世絵の方が好きな作品が多かったですね・・・。
肉筆画は言ってみれば「浮世絵のオートクチュール」ですから。
しかし!
今回の「スポルディング・コレクション」、実は、誰もが知っている名作だらけです。
ぜひ小学生や中学生に行ってもらいたいなぁ。
●江戸東京博物館 2008年11月30日(日)まで開催
写楽と歌川国政の大首絵をぜひ比べて見て下さい。
教科書に載っている歌川広重の東海道五十三次や葛飾北斎の富嶽百景も
あります!
私の好きな「江戸名所百景」、
なかでも「深川木場」・「両国花火」などは本当に素晴らしいです。![]()
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