能鑑賞会 「敦盛」
先日、渋谷の観世能楽堂で「敦盛」を見ました。
「敦盛」は世阿弥作とされ、織田信長など武将が好んだ作品として愛されています。
能楽としては「世界無形遺産」にも第1回から指定されて、
日本が世界に誇る伝統芸能です。
歌舞伎や文楽の親しみやすさと違って、劇場の空気が張り詰め、
見る側も独特の緊張感がありますね。
(それが良いとも言えますが・・・)
思へばこの世は常の住み家にあらず。
草葉に置く白露、水に宿る月よりなほあやし。
きんこくに花を詠じ、栄花は先つて無常の風に誘はるる。
南楼の月を弄ぶ輩も月に先つて有為の雲にかくれり。
人間五十年、下天のうちを比ぶれば夢幻の如くなり。
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか。
『敦盛』
能の見所はたくさんあります。私は大学で日本文化を勉強したので、
能に関する興味深い資料を見せてもらったことがあります。
例えば、能面について。
例えば、能装束について。
能装束は縫箔といって、華麗で豪華な文様を表出したものが
使われますが、何百年も前から受け継がれてきたこの技術は、
それだけで日本人の手仕事の素晴らしさと美意識の高さが
分かります。
能は世界で一番古い舞台芸術ということですが、、
そのプログラムのことを「番組」と言うのだそうです。
今はテレビ番組などと普通に使っていますが、
こんなはるか650年前から芸能言葉として存在していたのですね。
歌舞伎と違って口語体で語られるので難解ですが、
伝統文化が栄えた室町時代に思いをはせることができます。
この独特の世界、ぜひ一度はオススメです。
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